TS50君は足を打撲していたが幸い骨は折れておらず、そのまま電車で帰宅する事になった 
 すっかり意気消沈した俺とNSR50君はキャンプ場に戻ってテントを畳み、そのまま帰宅する 
 事にした。 
 俺は最短ルートで帰る事を提案したが、NSR50君は鈴鹿峠を走って帰りたいと言い出す 
 仕方ないので承諾して、俺はTS50君が残した荷物2人分を背負って走り出す 
 キャンプ道具の入った2人分の荷物は30キロ以上はあろうかという重量でフラフラする 
 死ぬ気で鈴鹿峠を越えて、やっと名古屋に近づいた頃には満身創痍で意識もモウロウとしていた 
 考えてみればキャンプ場で一泊したとはいえ、名古屋−琵琶湖間をトンボ返りで殆ど走り詰めである 
 モウロウトした意識の中で「なんだこれ?警察に捕まり、友達は事故って自分は2人分の 
 荷物を運んで走りっぱなしでフラフラ・・・二度とツーリングなんかしねぇ」 
 名古屋に入った時、じんわりと涙が浮んできた・・・ 
 家に着き、死んだように眠り、翌日にTS50君の家に荷物を届けに行った 
 恐る恐るチャイムを押すと足に包帯を巻いたTS50君が笑顔で出てきた 
 「いやー痛かったわwでも帰りの電車でジャンプ読みながら弁当食って快適だったわーw」 
 俺の肩には君の荷物と2人分背負ってきたお陰で青あざがクッキリ付いてるんだが? 
 でも元気で良かったよ 
 たった2日間でバイクの楽しさと苦しさと危険さを凝縮して体験した17才の夏でした 
 ちなみに40過ぎた今でもTS50君は俺のバイク友達で、今ではR1150君になっているw 
 今でもあの17の夏の話になると、お前は死んだと思った、ジャンプ読んで帰ったと盛り上がるよw
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